新潟中越地震に学ぶ新潟中越地震について巨大地震でも人命を失わないために 『地震から建物と命を守る』 阪神・淡路大震災から10年たった。 昨年は宮城県北部連続地震、新潟中越地震という大きな地震が起き、 住宅の耐震性能に対するエンドユーザーの関心は高まっている。 ただし、昨年の二つの大地震でも明らかになったように、 比較的新しい住宅は大きな地震でも壊れない。 一部損傷は避けられないにしても、倒壊や全壊などはほとんどない。 比較的新しい住宅で倒壊や全壊・半壊は構造上の問題ではなく、 地盤との関係が問題だと言える。 それゆえ、今後建てられる住宅では地盤との関係が重要であり、 古い住宅(特に1981年半の新耐震基準以前の住宅)では 耐震診断・耐震改修などが重要な問題だ。 ー中越地震の被害 主因は地盤関連ー 新潟県中越地震の被害調査は、各機関とも現時点では速報という段階ではあるが、 住宅の構造や建て方自体よりも地盤崩壊や軟弱地盤が被害を大きくしたと指摘されている。 例えば、新潟大学による調査では、家屋被害の大きな地区では同一地区内においても 地形・地質との関連で被害は大きく変化していると指摘している。 また、工学院大学の宮澤健二教授の木造住宅被害調査でも 「今回の地震災害の特徴は、地盤崩壊、軟弱地盤に関係する住宅の被害、 或いは地震による直接死より関連死の方が多いことなどであった」と報告されている。 ー地盤関連の課題ー 地盤については昨今、住宅を建てる前に敷地の地盤調査が普及しつつある。 現場周辺を含めて、まず目視調査を行うが、 少しでも疑念が生じたら地盤調査を行うのが間違いない。 調査結果にもとづき基礎を選定するが、地盤改良が必要ならやるのがベストと言える。 日本住宅新聞平成17年1月15日より抜粋 |